高橋克典の“法律 だいすきになーれ+ひとり言α”

・・・・・ まずは“宅建資格”から

さて、今年はかなり高い確率で・・・。


今回は、民法で192条関係の判例を見ておきましょう。今年出そうでスモンね。

上記予想問題では、記述式(第2回問45)で作問しました。あと、過去問ではH19年度の問題をチェクしておきましょう。

さて、動産引渡請求本訴、代金返還請求反訴事件(平成12年06月27日判決)です。

これは2つ問題としています。

1つは、「民法194条に基づき盗品等の引渡しを拒むことができる占有者と右盗品等の使用収益権」

2つは、「盗品の占有者がその返還後にした民法194条に基づく代価弁償請求が肯定される場合」です。


1つめの裁判要旨・・・

盗品又は遺失物の占有者は、民法194条に基づき右盗品等の引渡しを拒むことができる場合には、代価の弁償の提供があるまで右盗品等の使用収益権を有する、としました。

2つめの裁判要旨・・・

盗品の占有者が民法194条に基づき盗品の引渡しを拒むことができる場合において、被害者が代価を弁償して盗品を回復することを選択してその引渡しを受けたときには、占有者は、盗品の返還後、同条に基づき被害者に対して代価の弁償を請求することができる、としました。

一つめの要旨を少し詳しく見ると・・・
盗品又は遺失物(以下「盗品等」という。)の被害者又は遺失主(以下「被害者等」という。)が盗品等の占有者に対してその物の回復を求めたのに対し、占有者が民法194条に基づき支払った代価の弁償があるまで盗品等の引渡しを拒むことができる場合には、占有者は、右弁償の提供があるまで盗品等の使用収益を行う権限を有すると解するのが相当である。

けだし、民法194条は、盗品等を競売若しくは公の市場において又はその物と同種の物を販売する商人から買い受けた占有者が同法192条所定の要件を備えるときは、被害者等は占有者が支払った代価を弁償しなければその物を回復することができないとすることによって、占有者と被害者等との保護の均衡を図った規定であるところ、被害者等の回復請求に対し占有者が民法194条に基づき盗品等の引渡しを拒む場合には、被害者等は、代価を弁償して盗品等を回復するか、盗品等の回復をあきらめるかを選択することができるのに対し、占有者は、被害者等が盗品等の回復をあきらめた場合には盗品等の所有者として占有取得後の使用利益を享受し得ると解されるのに、被害者等が代価の弁償を選択した場合には代価弁償以前の使用利益を喪失するというのでは、占有者の地位が不安定になること甚だしく、両者の保護の均衡を図った同条の趣旨に反する結果となるからである。

また、弁償される代価には利息は含まれないと解されるところ、それとの均衡上占有者の使用収益を認めることが両者の公平に適うというべきである。

といいました。

2つめの要旨ですが、

右の一連の経緯からすると、被害者は、本件盗品の回復をあきらめるか、代価の弁償をしてこれを回復するかを選択し得る状況下において、後者を選択し、本件盗品の引渡しを受けたものと解すべきである。このような事情にかんがみると、占有者は、本件盗品の返還後においても、なお民法194条に基づき被害者に対して代価の弁償を請求することができるものと解するのが相当である。

としました。

もちろん、基本的要件はしっかり事前にチェックしておきましょう。

では、また。


行政書士の予想問題は上記の本「らくがく(楽学)行政書士 直前模試」で解いてみよう。


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