高橋克典の“法律 だいすきになーれ+ひとり言α”

・・・・・ まずは“宅建資格”から

借地借家法−36条をみてみよう・・・。

今回は、チョットおもしろい規定を扱います。しかし、私がおもしろいといっても、皆さんがおもしろくないと言ってしまえば、それまでですが。

それは、内縁の配偶者が契約した居住用建物の賃貸借を残された内縁の配偶者が、相続人がいないなら、承継できるという制度です。

ここも、民法の規定がまずベースになります。一般的には、どうなっているのでしょうか。

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特別縁故者に対する相続財産の分与)
第958条の3  前条の場合(相続人としての権利を主張する者がない場合)において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。

2  前項の請求は、第958条の期間(一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告)の満了後三箇月以内にしなければならない。
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ここでのポイントは、相続人がいないときには、内縁の配偶者などの特別の縁故者は、自ら家裁に請求すれば、相続財産をもらえるということがある、ことです。これにより処分されなかった相続財産は、国庫に帰属することになります。

このベースがあるのですが、特に居住権を保護するために、これとは違う特別な規定を借地借家法では設けています。
それが、36条です。

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(居住用建物の賃貸借の承継)
第36条  居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻又は縁組の届出をしていないが、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。ただし、相続人なしに死亡したことを知った後一月以内に建物の賃貸人に反対の意思を表示したときは、この限りでない。

2  前項本文の場合においては、建物の賃貸借関係に基づき生じた債権又は債務は、同項の規定により建物の賃借人の権利義務を承継した者に帰属する。
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この条文のキーワードは、何ですか。

まず、「居住用」ここから事務所用とか店舗用などではない、相続人がいないときであること、「事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者」のみかあ、でそれらを満たすと、「原則−相続でき、例外−終了する」となります。
内縁者などは、ぼーっとしていても、この制度を知らなくても、相続できることになります。

あと、この規定も、任意規定です。造作買取請求権の規定と同じ立ち位置です。

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強行規定
第37条  第31条、第34条及び第35条の規定に反する特約で建物の賃借人又は転借人に不利なものは、無効とする。
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確かに、37条は、36条を排除しています。 任意規定ということは、不利な内容の特約も、どうどう有効ということですね。

ということで、いよいよ次回は最後です。

では、また。

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