高橋克典の“法律 だいすきになーれ+ひとり言α”

・・・・・ まずは“宅建資格”から

質問コーナー(時効取得)・・・。

質問がありました。お答えします。

質問は、「包括承継だから 当然占有権も承継し(瑕疵も)承継してますよね?任意を挟む余地はないのでは?」

ということですが、まとめてしまいました。

お答えします。

結論からいうと、占有は事実的な面が強いので、本人の占有から考えるというのが基本としていいと思います。もちろん、187条から、前主の占有権をそのまま取得するという面もあると言うことだと思います。相続人については、少し詳しく以下で。

まず、187条(占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。 )はそのことを言っていると思います。買主のような特定承継人は、それほど難しくないでしょう。

問題は、相続ですが、これもそのように考えてもいいと思いますし、判例もそのように(187条の適用がある)考えています。

条文も単に承継人といってますしね。なお、占有権も相続できます。占有権もある意味法的な概念ですから。

確かに、相続は包括承継であって、人格を引き継ぎ、法律上同一人とする面がありますが(こちらをとことん重きを置けば187条不適用とできます)、でも、相続人も被相続人とは異なる面もあるといえばありますから、そちらを強調し二面性を認めてもいいと思います。

以前の判例は、相続人には二面性を認めていませんでしたので、選択の余地はないとの考えも十分なりたちます。

2面性(被相続人の面と自己の独自面)を相続人に認めるか、実は185条(権原の性質上占有者に所有の意思がないものとされる場合には、その占有者が、自己に占有をさせた者に対して所有の意思があることを表示し、又は新たな権原により更に所有の意思をもって占有を始めるのでなければ、占有の性質は、変わらない。 )に関してですが、相続しても被相続人と違う面を相続人に認めていい場合もあると思います。

例えば、親父が本当は地主から土地を借りていたのに、だから「他主占有」だから100年経っても所有権の取得時効は成立しません。

しかし、その親父が子供達には自分のものだとずーっといっていて、そういう状態で亡くなった場合に、子供である相続人は「自主占有」で使用していることがあります。

そうすると、相続した一面と、自己の独自の面とやはり二面性はあるように思います。むしろ、この状況なら自己独自の面の方を認めたいですね。

ですから、そこを強調して、相続人も、占有においては、187条でいう選択を認めてもいいのではないかと思います。

相続には、このように人格の2面性もあることを押さえて、利益調整するしかありませんね。妥当な結論を出すためですが・・・。

ここも難しいところですが(悩む所で大変です)、一つ一つ考えておくことが急に実力がつくことになりますので、じっくりかんがえてみてください。あ、十分考えてますよ。

では、また。

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高橋克典
週刊住宅新聞社


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高橋 克典
住宅新報社

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