高橋克典の“法律 だいすきになーれ+ひとり言α”

・・・・・ まずは“宅建資格”から

今年の宅建試験問題にちょっとひと言・・・。

行政書士の受験お疲れ様でした。どうでしたか。

ゆっくり今日は休んでからですね。

さて、今年の問題で1つ言っておきたい問題があります。

H23年度問27の問題肢2です。

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 宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

2 E社の役員のうちに、刑法第246条の詐欺罪により罰金の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、E社は免許を受けることができない。
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この問題、実はおかしいのです。

結局誤りですから、話題にはならないと思いますが、国家試験の問題として作問しているのですから、ちょっとどうかなあ、という問題です。

大袈裟ですが、これで感覚が狂ってしまう、法的センスのいい人ならそうおもうかもしれません。

どの点が問題かというと、実は「刑法第246条の詐欺罪により罰金の刑」自体がないのです。現実は、懲役刑しか規定がない。

まあ、これ自体が問題で、財産犯ですから、応報刑の見地からすると、財産犯には財産刑を事前に用意しておくべきですね。これは国会の問題。

これはおいといて、できない刑を問題にすることはおかしいのです。予備校の模試であれば、採用されませんから。センス悪すぎだろ・・と。

もし罰金で作問するなら、235条の窃盗で作問すれば、良いわけです。実際にある犯罪で。

つまり、肢2は、免許の欠格要件になっていないという理由付けではなく、そもそも詐欺罪では、罰金が出せないから、誤り、ということになりますね。

でも、それはやっぱりおかしいでしょう。これを作った人、本当は詐欺に罰金刑があると思って(普通条文みて確認するのですが)作問したと思わざるを得ないのです。

もし、そうでなければ、こういうあり得ない問題を作ってはいけないような気がします。実務的な試験ですし。

もし、これが司法書士とか司法試験の問題であれば、大問題になるでしょうね。宅建受験生は、そこまで勉強してませんからね。

ということで、わたしもこれを解いたときに、感覚が狂ってしまった1人ですから、本試験中にこういう問題をこれから出さないようにしてもらいたいものです。希望します。

特に、私が専門学校(駿台法律経済専門学校)で教えていると前にも言いましたが、そこでは刑法も少し教えていますので、この点を知っている受験生が多いんですよ。

ですから、知っている受験生はどう感じていたのかなあ、と少し不安を覚えてしまいました。

結局、そこで切れなくても、罰金で欠格要件となっている犯罪にあたらないといけないので、結果論として、誤りとつけざるを得ないし、消去法でもいきつくんですがね。

でも、やはりこういう問題は避けてもらいたい。

本試験問題では、解説書をくれないので、神経がそこまでいっていないのでしょうか。

今年はそういう問題もあったということをお知らせします。

まだ、合格ラインが発表されていないので、不安な日々が月末まで続きますが、もうこれは発表まではどうすることもできませんが・・。

でも、もうすぐです。

では、また。

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